今日から、経営幹部候補の育成プログラム(あえて、研修とは呼びません)が始まりました。将来の幹部候補の「決定力」を鍛えることが目標です。
本プログラムにおいて、戦略の立て方や意思決定のプロセス、それらの思考をロジカルに進めるためのフレームワークなど、多くのテクニックやツールを学ぶことになります。
「理論なき実践は無謀である。」 (ピーター・ ドラッカー)という有名な言葉のとおり、是非とも理論を身につけて、大いに役立ててもらいたいと思います。
ただ、本プログラムを通じて僕自身が参加者に最も伝えたいと思っていることは、テクニックやツールではなく、「マインド」です。
本日のキックオフでは、経営幹部を目指すのであれば、我々の会社が足もとで年間100億円のコストを使っており、1ヶ月換算だと約9億円、一日換算だと約3000万円のコストで事業を運営していることを念頭に入れて受講してほしいと伝えました。
要するに、朝起きて、オフィスに出社して、夜オフィスを退社して、帰宅するまでの間に、家が一軒建ってしまうような金額が毎日消えているわけです。
意思決定が1日遅れれば、すなわち3000万円を無駄にする。このような意識(マインド)を常に持ちながら、その緊張感のなかでもスピード感をもって意思決定出来るよう、しっかりとテクニックやツールを身につけてもらいたいと思います。
ちなみに、僕が「決定力」というキーワードで最も好きな本は、元チェスの世界王者であるガルリ・カスパロフが書いた「決定力を鍛える」という本です。

- 作者: ガルリカスパロフ,Garry Kasparov,近藤隆文
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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1秒間に2億手を先読みするIBMのスーパーコンピューター、「ディープブルー」に勝利をしたカスパロフが最も大切にしていたのは、何よりも「マインド」で、以下のように述べています。
「自分の志に限界を設ければ、成果にも限界が設けられる。」
是非とも、志に限界を設けることなく、頑張ってください!