The Songlines - 渋谷で働くCFOブログ

CFOという業務を通じて出会ったものを、風の向くまま、気の向くままに残していきます

The Songlines - はじめによせて

いまさらながら、ブログを始める事にしました。
 
ブログを始めるにあたって、最初にすることはもちろん「ブログ名を決める」こと。
これはこれで結構悩ましかったりします。
 
このブログを書くことで、何を残したいのか。
そんな中で、僕の頭に浮かんだのが、ブルース・チャトウィンの名著「The Songlines」です。

 

オーストラリア全土に迷路のように延びる、目に見えない無数の道「ソングライン」。
それは、ドリームタイムと呼ばれる神話の時代に、この大陸を旅したアボリジニの先祖がたどった足跡で、先祖たちは、その道々で出くわしたあらゆるもの-鳥や、獣や、植物や、岩や、泉-の名前を歌いながら、それらすべてに命を与え、世界を創造していきました。
 
この「ソングライン」は、アボリジニの生活の基軸になっていて、その歌は地図であり、方向探知機であり、歌を知っていれば国じゅうどこへでも行け、その道から外れない限り、必ず自分と同じ夢を持つ仲間を見つけられたそうです。
 
また、オーストラリアのアウトバックの大部分は乾燥した砂漠で、ある年にたっぷり雨が降ったかと思うと、そのあと七年も雨不足が続くこともあり、そうした環境の中で生きていくためには移動が不可欠で、同じところにとどまることは自殺行為だったので、境界線に囲まれたひと塊りの区域を「自分の領土」として守るではなく、ソングラインに沿って移動できる全ての場所を「自分の領土」として、厳しい環境の中で生き続けたそうです。
 
アボリジニ達は、生まれたその日から停まることなく動き続け、変化を受容し、継承し、そして歩き続けました。
ベンチャー企業で働く僕自身も、「境界線に囲まれた場所」を守ることに執着するのではなく、常に停まることなく動き続け、変化をし、継承し、そして歩き続ける事で、変化の激しい環境の中で新たな価値を創造し続けていきたい。
 
そんな思いを込めて、ブログ名を「The Songlines」としました。
 
今回は初回のブログということで、ちょっと堅苦しくなりましたが、これからブログという場を通じて僕のソングライン(=ブログ記事)を書き始めます。
 
アボリジニ達がその道々で出くわしたあらゆるもの-鳥や、獣や、植物や、岩や、泉-を歌ったように、僕もCFOという業務を通じて出会ったものを、風の向くまま、気の向くままに残していきます。
取りとめのない内容のブログになると思いますが、今後ともよろしくお願いします。
 
また、アボリジニ達の歌うソングラインが、部族や境界線にとらわれず、言語の壁を跳び越えてつながっていたように、この記事を通して、読者の皆さまとも何らかのつながりを作れたらいいな、と思います。